食事の回数

食事の回数を歴史的に見ても、現代の食生活が特異質なものだとわかります。

 

今の人は日に3食ということを当然のように思っていますが、人間に摂っては1日2食という回数の方がむしろ通常のものでした。

 

例えば、日本の歴史を見ても、平安時代までは1日に2食が普通でした。これは庶民にかぎったことではなく、平安の貴族も同じで、皆が1日に2食だったのです。

 

ところが、武士が支配階級となった鎌倉の頃から、少しずつこれが変わります。平安末期から戦国時代にかけて日本には戦乱が多く起こりましたが、戦争となると武士はいつ食事ができるかわかりません。

 

いつでも食べられるようにと、ご飯を乾燥させた非常食を携帯し、時間のある時に食べるようになりました。これが平時にも定着し、1日に3食という習慣になったわけです。

 

このように、日本の社会でも昔は1日2食が普通でしたし、現代でもアフリカや東南アジアなどで伝統的な生活を続けている人々は、ほとんどが1日2食なのです。

 

食事の回数が1日に2回ならば、仮に食事で糖質を摂っていても、糖質代謝の時間は日に6時間ほどですみます。

 

つまり、伝統的な食習慣ならば、糖質代謝が脂質代謝よりも優勢になるという異常事態は起こりませんから、糖尿病を引き起こすリスクも現代よりは低いわけです。

 

このように、食事回数が少ない方が糖尿病を引き起こすリスクが低いとわかってはいても、食生活はあくまでも習慣ですから、なかなか変わらないかもしれません。

 

でも、日になんども食べ物を口にすることが異常であり、1日3食の通常の食事ですら人類の歴史からみれば決して当たり前のことではないことは覚えておいていいのではないでしょうか。

 

おやつや晩酌、夜食といった食生活は変えられないとしても、せめてそうした時に食べる食品はナッツ類やチーズなど糖質の少ないものにして、少しでも糖質代謝を抑える工夫をしたいものです。